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自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会

自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会
テーマ:間質性肺疾患(ILD)
(平成29年度第7回愛媛大学がんプロフェッショナル養成インテンシブコース講習会)

自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会_f0235535_14042794.jpg日 時:平成30年3月28日(水)18:00~19:10
場 所:愛媛大学医学部 臨床第2講義室
参加者:20 名

「前回の勉強会の振り返り(1型糖尿病)」
   愛媛大学医学部附属病院 腫瘍センター 朝井 洋晶 先生

自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会_f0235535_14042715.jpg総合司会:愛媛大学医学部附属病院 腫瘍センター 朝井 洋晶 先生

「PD-1抗体使用中に経験した間質性肺炎」
   愛媛大学大学院医学系研究科
   循環器・呼吸器・腎高血圧内科学 三好 誠吾 先生

「薬剤性肺障害の診断と治療について」
   愛媛大学医学部附属病院 呼吸器センター 濱口 直彦 先生

質疑応答

 非小細胞肺癌、悪性黒色腫、腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、頭頚部癌など様々ながん腫で免疫チェックポイント阻害剤の有効性が示されています。一方で、今までの殺細胞性抗がん剤では見られなかった自己免疫疾患様の有害事象が起こり得ます。当院でも、免疫チェックポイント阻害剤投与中に間質性肺炎を発症した肺がん患者の経過を呼吸器内科 三好医師より報告いただき、経験を共有しました。その後、分子標的薬を含む抗がん剤による薬剤性間質性肺炎、さらには免疫チェックポイント阻害剤による自己免疫疾患関連有害事象の一つである間質性肺炎について診察、診断に必要な検査、初期対応、さらには発症リスクに関する研究を含む最新の知見について当院の呼吸内科専門医である濱口医師にご講演いただきました。
 今回のセミナーは、全体にわたって活発な質疑応答がされ知識を深めることに十分役立ったと考えられます。前半の症例提示においては、息切れ、酸素飽和度の低下などから疑うことが重要であること、疑う場合には感染症の鑑別と同時にステロイドを含む治療を考慮すること、を情報共有しました。後半の教育講演では、免疫チェックポイント阻害剤投与前の高分解能CTを含む検査による間質影の存在スクリーニング、疑わしい場合には治療前から呼吸器内科へのコンサルトすることが望ましいこと、治療中、治療後に本病態が疑われれば高分解能CT、血液ガス分析などにより重症度評価を行い、ステロイドを含む治療を検討すること、さらには気管支鏡検査の適応についても呼吸器内科に積極的にコンサルトすること、を情報共有しました。今後とも、他の有害事象について継続的な勉強会を開催する予定です。
by chushiganpro | 2018-03-28 13:10 | インテンシブ | Comments(0)