人気ブログランキング | 話題のタグを見る

自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会

自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会
テーマ:筋炎・関節炎
(平成30年度第3回愛媛大学がんプロフェッショナル養成インテンシブコース講習会)
自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会_f0235535_14243695.jpg

日 時:平成30年9月6日(木)18:00~19:00
場 所:愛媛大学医学部附属病院 臨床第2講義室
参加者:27名

「前回の勉強会の振り返り(炎症性腸疾患)」
   愛媛大学医学部附属病院 腫瘍センター 朝井 洋晶 先生

自己免疫疾患関連副作用(irAE)マネジメント勉強会_f0235535_14243610.jpg司会:愛媛大学医学部附属病院 腫瘍センター 朝井 洋晶 先生

症例提示
「ICI治療中に発現した筋炎」
   愛媛大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
   講師 西田 直哉 先生

「悪性腫瘍に関連するリウマチ疾患」
   愛媛大学医学部附属病院 血液・免疫・感染症内科学
   石﨑 淳 先生

 非小細胞肺癌、悪性黒色腫、腎細胞癌/尿路上皮癌、古典的ホジキンリンパ腫、頭頚部癌において抗PD-1抗体、抗CTLA-4抗体、抗PD-L1抗体(免疫チェックポイント阻害剤)の有効性が示され、本邦でも日常臨床で使用されています。しかしながら、本剤使用時には、従来の殺細胞性抗がん剤では見られない自己免疫疾患様の有害事象が起こりうるため注意が必要です。今回の勉強会では、本剤による自己免疫疾患関連有害事象の一つである筋炎、関節炎、さらには皮膚筋炎など腫瘍随伴症候群として発症しうる病態に関して、更に、診察・診断に必要な検査、治療法について、愛媛大学病院のリウマチ専門医である石崎淳医師にご講演いただきました。
 今回のセミナーは、全体にわたって活発な質疑応答がされ、知識を深めることに十分役立ったと考えられました。今回の勉強会では、①免疫チェックポイント阻害剤投与後の新規関節炎、筋炎の発症は非常にまれであり、ステロイドなどでコントロール可能であること、②Sicca症状(ドライマウス、ドライアイなどの乾燥症状)が比較的おおく発症しているため、免疫チェックポイント阻害剤投与まえに乾燥症状の有無を確認し、有症状者には抗SS-A抗体、抗SS-B抗体を測定すること、③膠原病既往患者においては30-40%程度の再燃が生じうるため膠原病かかりつけ医に投与前に相談すること、④皮膚筋炎患者においては抗TIF1-γ抗体、抗ARS抗体の測定が有用であることなどの知識を共有できました。また今後他の有害事象についても継続的な勉強会を開催する予定です。
by chushiganpro | 2018-09-06 14:13 | インテンシブ | Comments(0)